デザイン部

頑固堂の野幇間話 Vol.9

2016.08.30


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其の玖。東京・千駄ヶ谷にある国立能楽堂。例年この時期には「狂言と落語・講談」と銘打って開催されていましたが、今年の企画は「素の魅力」と題しての公演、仕舞・狂言謡・狂言語・袴能の構成です。
梅若玄祥、山本東次郎、野村萬、友枝昭世、人間国宝のそうそうたる方々が4名、そして袴能のアイ狂言には野村万蔵さんですからなんとも重厚・豪華なキャスティングです。
面と装束を付けずに演じられる曲を鑑賞するのも初めて、演じている能役者の表情を直接見るのも初めてです。以前、能装束のその重さと着付けの大変さ、面を付けての動きの不自由さについて伺ったことがありますが、素の場合はだいぶ楽(?)なんでしょうか。
開演前に能楽堂の中にある小林装束店の方としばしの歓談。「素の仕舞や袴能は面白そうで・・」とおっしゃっていました。
日常的に能の世界に触れている方々にも興味深い企画のようです。装束のきらびやかな美と面から伝わる厳粛な美、これまでの能・狂言の記憶帖に「素の魅力」公演を通じて、また違った一遍を増やすことが出来ました。
いつもながらの会場周りの素っ気なさ(看板類はこれだけです)、終演後の来場客のさりげなさ(みなさん、そそくさと無言で家路につきます)は能楽堂固有の雰囲気ですね。