2019.12.11
頑固堂です。
今回足を運んだのは東京オペラシティ アートギャラリーで開催されている「カミーユ・アンロ 蛇を踏む」展です。
開催趣旨には
「ニューヨーク在住のフランス人アーティスト、カミーユ・アンロ(1978- )は、映像、彫刻、ドローイング、インスタレーションなどさまざまなメディアを駆使し、「知」と「創造」の新しい地平を探求する作家」と紹介されています。私にとっては初見となりました。
展示ゾーン-1《革命家でありながら、花を愛することは可能か》
「草月流のいけばなに触発され、2011年から継続的に制作されているシリーズ。シリーズのタイトルは、マルセル・リーブマンによるレーニン伝の一節。作品はそれぞれ一冊の本に由来していて、題名や著者、花材名、本の一節が作品とともに展示されています」
展示ゾーン-2《アイデンティティ・クライシス》
「作家活動の初期から描き続けているドローイングは、アンロの興味の対象、思考の過程に直に触れることができる作品」「体を包む時には奥行きを持ち、脱いだ時には平らになるという衣服の特徴から、さまざまな連想が働いています。奥行きの有無を併せ持つという点への注目からうかがえるとおり、両義性はアンロを魅了してやまない概念となっている」と紹介されています。
展示ゾーン-3《青い狐》
「世界の秩序と多義性を空間全体を使って分析・構成した重層的なインスタレーション。
四面の壁には、自然、矛盾、理(ことわり)、連続性などに関わるドイツの哲学者ライプニッツの四つの原理がそれぞれ割り当てられ、宇宙の生成や人間の成長のステージ、人類の文明の段階、四元素といった項目も加わって考察されている」展示ゾーンの床と壁はブルーで覆われ、そのなかに様々なオブジェが集積されています。ちなみに会場で販売されていた作品図録の表紙には、床材と同じブルーのパンチカーペット素材が使われていました。
映像展示《偉大なる疲労》
「国立スミソニアン博物館で特別研究員として行ったアーカイヴ調査にもとづいて制作された作品。3億点以上にのぼる作品・資料を収蔵する博物館の「創りあげられた網羅性」に触発されて、アンロは人類の収集と知の構築への執念を探求し、ひとつの世界観のもとに構成しようと試みました」
この作品は撮影不可のため、資料写真からのご紹介です。
〆は国立演芸場・12月上席です。
三笑亭夢太朗師匠がトリにご出演、今夜の噺は「中村仲蔵」です。噺から伝わってきたのは「置かれたところで咲く」ことの大切さ。しみじみ感じ入りながら帰宅の途に就きました。