2016.11.22
ご縁あって、中目黒の高架下にオープンするお店の外にお店の顔になるモニュメントと オーナメントを作成させていただきました。 お話をいただいてからの納品までが短期間だったこともあって、あの手この手というか、 使える人脈を駆使して材料を揃えて、準備して、着彩したり、FRPこねくりまわしたり。 実はすごい、我が社の底力の一つです。 しばらく製作過程をお見せいたします。 中目黒にお立ち寄りの際は、 派手なカラーリングのウシが置いてある店 あるいは大きなウシの絵が看板のお店 って言うとわかると思うので、ぜひお訪ね下さい。 中目黒高架下 アサドール・デル・プラド なお、こういった店舗を華やかにするお手伝いもさせていただきますので お気軽にお声がけ下さい。 まずは店舗外にレイアウトされる牛のオブジェ。 市販の物を引き取ったのですが、店舗はスペインバル。 このホルスタインは乳牛であって肉牛としてはそぐわないのと オーナーの要望でカラフルにして欲しいとのオーダーなので色を塗り替えます。
これは、カッティングシート。 本来カッティングシートはガラスや壁面等に貼付けて完成なんですが、 これは用途が違うんです。
これは海綿です。 店舗の外装のイメージは他社さんのデザインで進んでいたのですが、その外装は チョークを使ったタイポグラフの嵐。 実際に色を塗り分けするのも、その意図を汲んで、なにかクレヨンで描いた様な べた塗りではない塗りつぶしを表現することにしました。
要は筆や刷毛でなく、海綿に絵の具をつけてスタンプのように塗っていく訳です。 この海綿を使うメリットは、ほとんど絵の具を水で溶かないので、色づけしたそばから 乾燥していきます。 なので、乾かす時間を短縮できるんですね。 先ほどのカッティングシートを牛の体に貼って、塗りつぶしたい箇所をマスキングしたら スポンジでぽんぽんハンコみたいに絵の具をつけながら塗っていきます。
こんなかんじ。
ひととおり塗りつぶすと最初に貼付けたカッティングシートをはがします。
はがすとベースで塗った茶色が顔を出します。
全部はがすと、こんな感じ。
マスキングして塗ってはがしてを繰り返して、ようやく色塗りが完成です。 ちなみにこの色分けは食肉の部位で塗り分けていますが 生々しくならないように線で切り分けたりせず、まるでパッチワークの様に 塗り上げます。
そして半ツヤのクリアコーティングをし、倒れ止めの鉄板と牛の脚をFRPで固定させます。
もう一つは、看板。 これは壁にかけられているハンティングトロフィの様に壁に取り付けるのですが、ほんのちょっとだけ立体的に見えるようにレイヤー(積層)させています。
そして、ようやく施工と納品の日がやって参りました。
まずは既に出来上がっている躯体の壁面に看板を取り付けるためのベースをつけます。 プラスターボードという石膏で出来た壁面なので、普通にビスで止めようとしても止まらないんですね。 そこでビスの効く壁内部の軽量鉄骨を探し出してそこにベースを取り付けます。
それから看板の裏側とベースをくっつけます。
取り付け完了です。
この牛の絵はいつもお世話になっている画家さんとの共作、手描きなので 現場の光源にあわせて、実際にその場でハイライトやシャドーを描き足します。 仕上げに、他の壁にも描かれているチョークアートを施します。
であとは、事前に仕上げてきた牛のオブジェと、ワイン樽をレイアウトして施工は終了です。