2017.07.28
初めまして、設計デザイン部長の別所です。
わたしの仕事は、TVのドラマ・バラエティや歌もの、舞台、展示会や屋外イベント、店舗内装のデザインなど、とりとめがないくらい多岐に渡るんだけど、そんな自分のような空間系デザイナー、セットデザイナー等と呼ばれるものが普段何を見て、何を糧とするのか、その『目線』を紹介していこうかと思います。
さて、空間って全てを内包するものだから、自分の身の回りのもの全てがその興味の対象となってくるんだ。
乱立する高層ビルの外装に反射する光、倉庫に積まれたコンテナの構築感からラーメン屋の換気扇の油汚れまで、物理的なものについてまわる時間軸も含めて、ほんと気になるものだらけ…。
文章で書いてても抽象的になってしまうんで、自分が普段持ち歩いてるデジカメで切り取った世界を見てもらえるとその感じが分かり易いと思うから、以下画像いきます。
これから貼っていくのは、去年ニューヨークに行った時のもの。
こうやって自分の手で(眼で)風景を切り取ったものは改めて実体験を呼び起こすことができるので、インターネットでデザイン資料を探すより、ずっと参考になり、役に立つ。
このあいだ、グラフィティの絡む仕事をしたが、ちょっとしたイメージ作りにも、こういった写真がスパイスになるんだ。
これはちょっと危なくて資料にはならないね(笑)。
このペインターさんが使ってるイントレなんかも、日本では亜鉛シルバーのものしかないけど、アメリカでは黄色や赤で塗ってあることがしばしば。
以前ロスへ行った時に散歩してたら、建物の補修でこのカラーイントレを使ってたが頭に焼き付いた。
その後、バラエティ番組の打ち合わせ時に、ディレクターから出た言葉が『オマカセ』だった物件において、焼き付いたそれをフィードバックしてみたりした。
あ、話が逸れた…戻します。
色味の感じ、使われてる素材の感じ、木漏れ日の落ち方。
舞台やドラマは照明さんとのコラボだったりもするので、イメージを蓄えておくことが重要。
交差点に置かれたハンマー。
不条理。
でもストーリーを考えるには、とても面白いエレメント。
もちろん危機管理で言えばアウト。
イベントのブースにしても面白いよね。
街中にちょっと置かれたベンチだって、経年変化を感じ取れれば物凄い存在感を放つ。
遊園地の観覧車の鉄骨組み。
グラフィック、色味のバランス。
アメリカの鉄条網は日本のものと違うよ。
日本のは、尖った線が外側に出るだけだけど、これは横方向の両側突起だから人に絡まると取りづらくなる。
因みにフェンスも、上枠を越えた金網の結び目はわざとひっかるように残すのがアメリカ流。
日本では上枠に収めるのが普通。
ちょっとしたことでお国柄が出るよねー。
こういった感じで、何でも興味を持ち、モノを見ていくと、それが積み重なって自分のアイディアの源になってゆくんだ。
まだまだ、表題である目線のことは続けていきましょうかね。
写真は山ほどあるんで(笑)。